今日はですね、
アメリカの撮影現場で行う掛け声(Call out) の話です。
実は監督が「アクション」と言う前に
スタップが何やら言い合っているのですが、
彼らが何と言っているかをご紹介していきます。
まず、今回登場するのは、
監督、カメラ(DP)、カメラ助手、音響、アシスタントディレクター(AD)、スレート、須田プ、役者達、です(現場には沢山の人がいますね)。
で、その掛け声はというと、
AD: ピクチャーズ・アップ
スタッフ:ピクチャーズ・アップ
AD: ロール・サウンド。ローリング
音響: サウンド・スピード
カメラ助手: カメラ・スピード
DP: セット
スレート: シーン1、テイク1、マーク(とスレートでカチン!)
監督: アクション
役者が演技をする
監督: カット
となります。 説明をしていくと、 1st AD: ピクチャーズ・アップ
(と大きい声で現場に促します。「本番」みたいな感じ)
スタップ:ピクチャーズ・アップ
(現場にいるスタップも、同じ掛け声をして、他のスタッ プに知らせます)
AD: ロール・サウンド。ローリング
(これも大声で。クルーに聞かせていきます)
音響: サウンド・スピード
(音響のスイッチONを確認して、これを言います)
カメラ助手: カメラ・スピード
(カメラが回ったのを確認して、これを言います)
DP: セット (日本語の「よーい」みたいな感じ)
スレート: シーン1、テイク1、マーク (ここでカチンコ(スレート)を打ちます) 監督: アクション
役者が演技をする
監督: カット
と言った感じです。
皆で声を掛け合って、 これから「本番」というのを確認しあいます。
これは最初のテイクだけではなくて、カメラを回す度に行います。
そうして編集の時にどれがどのテイクだかわかるようにします。
それでも現場がうるさかったら
スタップ達が「Quite on set」(現場では静かに)といって静かにさせます。

ここでちょっと補足ですが、
日本とアメリカではAD(アシスタント・ディレクター)の役割が違います。
日本は言葉通り監督のアシストをする意味合いが強いのですが、
アメリカの場合、特に「ファーストAD」は「進行役」と考えてもらっていいです。
なので、大きな声をかけて、本番をみんなに促すわけです。
なので、監督がアクションと言っている時には、
カメラはすでに回っているのです。
(別に大声を出す必要はないです)汗)
それから、これも補足ですが、
役者は「アクション」と言われてから、
すぐに演技を始める必要はありません。
よく、徒競走のピストルの号砲のように、
すぐに演技を始めてしまう方がいますが、
一泊おいてから自分のタイミングで始めて大丈夫です。
では、どうしてクルーは声を出し合うかというと、
音響さんなりカメラ助手さんなり、
スイッチが入ってないなどのミスを防ぐためです。
声を出して確認していても、押し忘れとか時々あります。
まあ、人間だもの、、、。
とにかく、皆で声を出しあって、
本番に臨んでいくのがアメリカの現場なのです。
日本でもこれと似たような掛け声がありますが、
これほどはきっちりしていないように思います。
Have a wonderful day!