今日はですね、
最近ちょくちょく聞くようになった役職、
ラインプロデューサーについてです。
なんか響きはいいですけど、
実際に何をする人なのか よくわからないですよね。
どういう人かというと、 各製作行程を管理する人。
スケジュールや予算が予定内に行われているかをチェックし製作工程を調整します。
大がかりな映画やアニメーション作成の現場に必要なポジション、です。
ショートフィルムの制作では必要ないかもしれませんが、
アメリカの学生フィルムでは、 役割を学ぶ意味で、
少人数でもきちんとこのポジションを置きます。
それでもあえてここF40でとりあげる理由は、
このラインプロデューサーの考え方が、
映画をつくる上で、またはイベントを運営する上で役に立つからです。
簡単に言うと、ラインプロデューサーは、
イメージで言うと、タイムキーパー的な役割をします。

米国の場合ですが、 (現場)監督、DP、役者、ファーストAD
1st AD が声を張り上げて進行していきます。 ↕ (キャンプ)本部みたいなもの
ラインプロデューサーが、事前に作った進行表を基に進み具合をチェックします。
なので、このラインプロデューサーは撮影現場を見たりしないんです。
ちょっと「えー」って思いますよね。でもそうなんです。
あくまで進行が時間通りに進んでいるかを管理していきます。
仮に、遅れていたらそれを1st AD に伝えて、
現場で皆に伝えて早めてもらうんです。
ポイントは、
それぞれが自分の仕事に集中できるよう環境を整えてあげるために、
このタイムキーパー的な役割のラインプロデューサーが、
全く「別の視点」で全体を管理する、ということです。
結構、合理的ですよね。
私が初めてこのラインプロデューサーの仕事を現場で見たとき、
「映画の撮影現場を見なくて何が面白いの?」 と
今思うとかなり素人的はことを思ったものでした。
でも、このラインプロデューサーがいるからこそ、
その一日の行程がスムーズに進んでいくと言っても過言ではありません。
ちなみに、米国だと、一日の就労時間の8時間を超えると、
SAG-AFTRA(サグ・アフトラ)俳優組合に加盟している役者たちは、
時間オーバー分の金額をもらうことができます。 なので、これが沢山のエキストラを使った大きな現場となると、
少しオーバーしただけでも、莫大に金額になるわけです。
作品づくりに集中している監督は、
時間もきにしながらやらなければなりませんが、
時間の進み具合を教えてくれるのが、現場にいる1stAD であり、
そこに指示しているのは、現場には出てこないラインプロデューサーなのです。
映画づくりはチームワークなのです。
Have a wonderful day!