今日はですね、映画「レザボア・ドックス」に関してあれこれです。
実は先日、二十代の方々にこの映画のことを話していたら、
ポカーンとした顔をしていたので、
タランティーノの出世作と言ったらまだわからなくて、
「キル・ビル」の監督と言ってやっとわかってもらえました(汗)。
この映画はいわゆるタランティーノの出世作で、
この作品のおかげであの「パルプ・フィクション」につながっていきます。
まあ、知らない方のために簡単に
「レザボア・ドックス」の ストーリ―を言うと、
マフィアのグループの中に覆面警官がいて、
最後まで信頼か裏切りかで揺れ動く、という話です。
どのシーンをとっても人間くさくて、
いろんな考察ができるんですが、
ちょっと最後のシーンを、
本づくり(シナリオづくり)の観点から見ていきます。
あの最後のシーン。
一人の男が失血して死にそうなところに、
三つ巴の状態で、三人の男たちがお互いに銃を向け合っている。
結末は二択ではなくて、どのようにでも展開しえる状況。。
ここで、「シナリオづくり」とあえてしたのは、
タランティーノは、
この三人がお互いに銃を構えている「画」が最初に浮かんで、
その画を撮りたいがために、その本を書きあげた、と言われています。
ここで「アレ?」思った方はいませんか?

そう、F40 ではいつも「ログライン」(超短い粗筋)を最初に書いて! と言っています。 確かにそれはそれでいいんです。
だけど、レゾボア・ドックスのように、
画ありきで、本を書き進めも当然いいわけです。
「俺はこういうシーンを撮りたいんだ!」 みたいな。
いい映画には、印象に残る画があります。
画をみたら音楽が聞こえてくる場合もあります。
それって、監督の情熱がパッと観客の伝わり、
かつ心に深く刻み込まれる瞬間なわけです。
これは、ここで何回かでてきていますが、
「ランボーのすすめ」にも通じていきます。
つまり、あれこれ考える前に、やってしまう。
衝動や行動が先にあって、形があとからついてくる。
このヒラメキというか、直感を大事にしていただきたいのです。
とはいえ、特にタランティーノのストーリーは、
緻密に練り込まれています。
それはもう数学的要素に近いかな、とも思っています。
いくつもの伏線があり、それが最後で一気に結びつくわけです。
この構造は、レゾボアの中に特に見受けられます。
結局、ストーリーの組み方に戻ってくるわけですが。
とにかく、映画は画の芸術なわけで、
ちょっとストーリー作りに迷ったら、
いったんそれまでの行程をぶち壊して、
子供のように楽しい空想にふけるというのもいいかもしれません。
Have a wonderful day!
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