今日はですね、ストーリーテリングの視点から
人間が持つ「欲」について、徒然なるままに、です。
実は今、マチュピチュ遺跡に旅行で来ています。
空中都市と言われる、ペルーのクスコにあるあの遺跡です。
実際に行ってみると、本当に山の中腹に遺跡は存在していて、
その神秘さに吸い込まれそうになります。
で、思った「欲」の一つ目は、
なんでインカ人は、こんな山奥に(多分)大変な思いをしてわざわざ遺跡を作ったのか?
ということです。
周りは山、山、山。平地なんかありません。
沢山の岩がゴツゴツとあり、そこから石を切りだしたと言われています。
今みたいに機械なんか当然ない時代にです。
それに、標高が高いので太陽の日差しが強いんです。
そこから太陽崇拝をしていたと推測されています。
ですが、ただそれだけの理由で、あんな困難な場所に
遺跡を作ったのでしょうか。
逆に、あの山だったからこそ、あそこに作ったのでしょうか。
うーん、わからん。
しかし、そんなマチュピチュ遺跡は、1500年代半ばに
スペイン人に征服され滅ばされてしまいます。
これが私が思った「欲」の二つ目です。
つまり、なんでスペイン人はこんな山奥に来てまでして彼らを征服したのか?
ということです。
本当に人里離れた場所なんです。
クスコから車で約二時間。そこから列車で一時間半。
そこまで道や鉄道を作ったこともすごいですが。
マチュピチュからは黄金も沢山出土したそうですが、
スペイン人はそんなにしてまで黄金がほしかったのか。
簡単に征服といいますが、スペイン人だって沢山の兵士が母国を出発して、海を渡って、南アメリカの東側から上陸して、森をかき分けて、あるかないかの黄金を目指して行きます?
まあ、行ったから征服されたわけですけど。

そして、三番目の「欲」は、
そのマチュピチュの終着駅の周辺が観光地化していた、ということです。
山の中にあるはずなのに、いきなりそこだけ街なんです。
完全なる街。上下水はもちろんのこと。インターネットもできる。
そして、私を含めた沢山の観光客。
よく見るマチュピチュの写真は、遺跡にほとんど誰も映っていないので、
あまり人が来ないところ、もしくは行きづらいところだと思っていたんです。
しかしそれが全くの逆。ちょうど富士山五合目に人が一杯いるといった感じでしょうか。
子供も店番をしている。しかもくったくのない素晴らしい笑顔で。
あんなに笑顔がいい人はひさしぶりに遭いました。
街の野良犬でさえ、ゆっくりと平穏に過ごしている感じでした。
ただ、確実に言えるのは、そこに来た観光客は金を落とし、
そこで生きる人たちは、太陽崇拝とは全く無縁の、資本主義の下に経済活動をして暮らしているということです。
ちなみに、マチュピチュの初代村長は日本人です。
私は、どうもマチュピチュ遺跡そのものの偉大さよりも、
あそこに流れる時代を超えた、人間が生きていく衝動というか、なぜに人は生きていくのか、という人間ドラマの根源のようなものに強く引っかかったのでした。
人ってなんなのか。ドラマのテーマは尽きません。
Have a wonderful day!
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