今日はですね、役者はカメラを意識した方がいいのか、
それともしない方がいいのか、という演技についてです。
よく現場で、役者が演じた芝居をモニターで確認して、
その後に変えちゃう方がいます。
多分、見え方が格好わるかったり、
顔の向きが気にいらなかったりだと思うんですけど。
まあ、ある意味ではいいかもしれません。
でも、監督の視点からすると、
役者がどう見えるかはあまり関係がなくて、
例えば、格好悪いと思ったらダメ出しをするわけです。
ですので、役者はとにかく演じることに集中してほしい、
というのが私の意見です。 リアリズムを求められるのであれば尚更です。

これは、鏡で自分の顔を見ることも同じです。 どういう意味かと言うと、 自分の顔と鏡で見る顔と、
周りの人から見られている顔は、違うというものです。
これは、自分の顔を鏡で見る時は、
無意識の内に自分が好きな顔になるように 表情をつくるんだそうです。 その反対に、なにもしないんであれば、
当然、普通の表情になります。
そして、これの多くが自分の好きな顔ではないことが多いということになります。
これって面白いですよね。
役者ではなくても人は、無意識のうちにやってしまっているかもしれませんね。
話がかなり遠回りになりましたが、
このことは、カメラの前に立って演ずる時と全く同じなわけです。
ようは、カメラがあろうがなかろうが、
役者ができることを最大限にやってもらう。
それをたまたまカメラが覗き込んでいた、
となるのがベストなのです。
なので、役者の方には、
自分がモニター越しにどう見えるかなんて、
まずはあまり考えないでもらいたい。
それよりは、目の前に役者とのやりとりに集中して、
その結果、怒ったり泣いたり笑ったり、
その瞬間を「生きて」ほしいわけです。
そして、それが観客の肝をワシ掴みにできる秘訣になるはずです。
Have a wonderful day!